「沁みる」の意味と使い方をわかりやすく解説!沁みるを使った例文を紹介

沁みるの意味

疲れているときや傷ついているとき、ふと掛けられた言葉、気遣いの仕草に癒されることがありますね。

こんなとき、みなさんならどのような言葉で気持ちを表現しますか?

「ありがたいなぁ」「優しいなぁ」など、人それぞれにさまざまな言葉が浮かぶことでしょう。

今回は、日本人の持つ情緒深さや優しさをよく表した言葉「沁みる」について解説していきます。

沁みるの意味

「しみる」にあたる漢字は数多く、「染みる」「沁みる」「浸みる」「滲みる」「凍みる」の5種類があります。

その中で、「沁みる」は唯一、人の心に関連した意味を持ちます。

正確には「心にしみじみと感じる」「心などに深く感じ入る」という意味であり、「沁」は常用外の漢字です。そのため、多くの場合の「沁みる」状況は、「染みる」と表記してもよいとされています。

「沁みる」に含まれる「人の心」を表すもの以外の意味としては、「液体や気体などの刺激で、刺すような痛みを感じる」があります。

これは、「沁みる」、あるいは「染みる」のどちらも使用できる代表的なケースです。

沁みるの使い方

前項にて「沁みる」と「染みる」とでは、共通する部分が多いことを簡単に説明いたしました。

「沁みる」の使い方の説明にあたり、「沁みる」「染みる」の詳しい意味について考えてみましょう。

 

・染みる

液体が、繊維の間や物の割れ目をつたって広がる。

 

・沁みる

液体や気体が入って痛む。心にしみじみと感じる。

「染みる」「沁みる」に共通する言葉は「液体」です。

「染みる」が「つたった液体の色がしみつく」状況を表していることに対し、「沁みる」は「つたった液体が目に入って痛い」と、人間の感覚に影響している状態を表しています。

「目に入って痛い」状態で「染みる」をあてても間違いではありませんが、特に人間の感情や感覚を表現したい場合には「沁みる」を使うと、より強くニュアンスを伝えることができるでしょう。

沁みるの類義語・同義語

「沁みる」には、「言う=話す」のように簡単に表せる類義語がありません。

ただし、「心/感情」という面から考慮した場合、同義語として挙げられるものはいくつかあります。

「深く感じる」「心底感じる」「実感する」「ひしひしと感じる」あたりは、「心に響く」状況を表していますので、「沁みる」の同義語としてふさわしいといえるでしょう。

沁みるの対義語・反対語

類義語同様、「沁みる」には直接的な反対語がありません。

そこで、「沁みる」の意味「心にしみじみと感じる」とは対を成す状況を考えてみましょう。

「沁みる」を、「何かを深く心に感じている」と捉えた場合、反対の状況は、「何も感じていない」「感情が湧かない」などとなります。

これらを表す言葉としては「無感動」「空虚」「虚無」があります。

また、四字熟語の「無味乾燥」は、「なんの面白みも味わいもないさま」という意味ですので、拡大解釈をすれば「何も感じていない」という状況と近似するものがあります。

ほかにはどのような言葉があるか、みなさんも考えてみてくださいね。

沁みるを使った例文

それでは、「沁みる」を使った例文をいくつか挙げますので、見てみましょう。

みなさんの心に沁みるものはありましたか?

沁みるを使った例文
  1. 絶望的な状況のなかで、慰めの言葉が心に沁みた。
  2. 上司の温情ある忠告が骨身に沁みる。
  3. 冷たい水が歯に沁みる。
  4. 泣いていない。たばこの煙が目に沁みただけ。

沁みるの意味まとめ

今回は、「沁みる」について、意味や使い方などを解説しました。

「沁みる」は、心に特化した言葉、かつ刺激に対する感覚にも使用できることをおわかりいただけたでしょうか?

心に沁みるものは、人から与えられる優しい言葉だけではありません。

たとえば淋しい気分でお酒を飲んでいるときに流れてきた演歌、などということもあるでしょう。まさに日本人!といった風情ですね。

些細な優しさにも気づくことができ、心に沁みる体験を増やしていければ、人間としての深みも加わることでしょう。

この記事が、みなさんの心に沁みるものとなっていましたら幸いです。