「猖獗」という言葉は、ご存知でしょうか。
まず、漢字が二つともあまり見たこともないような字ですし、意味も読み方も謎という人も多いのではないでしょうか。
実際、それほど使用頻度の高い語彙とも言えませんが、使いこなせると文章の質をレベルアップできる表現です。
それでは、以下で「猖獗」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「猖獗」の意味・読み方
「猖獗」は「しょうけつ」と読みます。
次に意味ですが、まずは「猖獗」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「猖」は「かってきままにする」「たけりくるう」という意味です。
「獗」は「たけりくるう」という意味です。
同じような意味の漢字二つを並べた熟語「猖獗」の意味は、
「たけく、あらあらしいこと」
「悪いものの勢いがさかんなこと」
です。
「猖獗」は単に勢いがさかんなのではなく、手がつけられないほど荒々しい、猛威を振るう様子です。
「猖獗」の使い方
では「猖獗(しょうけつ)」はどのように使う言葉でしょうか。
「猖獗」はおもに「猖獗を極める」という成句の形で使います。
手がつけられないほど、荒々しく猛威を振るう様子ですが、そのものは、社会や生活にとって歓迎できないもの、害をなすもの、悪いものに限られます。
例えば、「流行病」「凶悪犯罪」「青少年に害があるマンガやゲーム」などは「猖獗を極める」と言いますが「ボランティア活動」「募金」や「あいさつ運動」などはいくらさかんでも、そうは言いません。
「猖獗」の類義語・同義語
「猖獗(しょうけつ)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「跳梁跋扈する」 (ちょうりょうばっこ)このましくないものが勝手にふるまうこと
- 「蔓延る(はびこる)」 悪いものの勢いが強まり手がつけられない様子
- 「蔓延(まんえん)する」 「はびこる」の漢語表現
- 「横行する」 社会正義に反することが平然と行われる様子
- 「猛威を振るう」 生活を脅かすようなものすごい力が現れている様子
「猖獗」の対義語・反対語
「猖獗(しょうけつ)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
悪いものの勢いがなくなるという意味での反対語として以下などがあります。
- 「沈静化する」 状況がしずかに落ち着くこと
- 「収束する」 物事が収まること
- 「正常化する」 常態に復帰すること「猖獗」は悪いものの勢いがさかんな様子でしたが、逆によいことの勢いがさかんなことを表す表現として以下などがあります。
- 「繁栄する」 (国や家などが)栄えて発展すること
- 「興隆する」 (家、文化、国などが)勢いが盛んになり、存在感が高まること
「猖獗」を使った例文
「猖獗(しょうけつ)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 新型インフルエンザが猖獗をきわめ、多くの死者が出た。
- 依存性の強いネットネームが猖獗をきわめて、『ネトゲ廃人』と呼ばれる依存症に苦しむ人の存在が社会問題となった。
- 官僚や政治家の腐敗や汚職がこれほど猖獗をきわめている現状では、もはや民主主義が正常に機能しているとは言い難い。
- 学校でのイジメや暴力はより陰湿化しており、校内暴力が猖獗をきわめた当時とは隔世の感がある。
まとめ
以上、「猖獗(しょうけつ)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「猖獗」だけではなく、「跳梁跋扈」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。