「夫々」という言葉は、ご存知でしょうか。
「夫」は普通「おっと」という意味や、「人夫」「潜水夫」など「男の人」という意味で使いますが、この場合はそうではありません。
「夫々」をどう読むのかとなると、ちょっと分からないという人も多いのではないかと思います。
読みさえ分かってしまえば、言葉としては誰でも知っている言葉ですので、ここで「夫々」を確認してしまいましょう。
それでは、以下で「夫々」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「夫々」の意味・読み方
「夫々」は「それぞれ」と読みます。
次に意味ですが、まずは「夫々」の漢字を確認しましょう。
「夫」の字には、「おとこ」「おっと」などの意味の他に、「それ」という意味もあります。
この「夫」の字を重ねた「夫々」の意味は、
「おのおの」
「めいめい」
「問題や話題となる一群のものの一つ一つについて」
となります。
例えば「特にお弁当は頼んでいないので、昼食は夫々(それぞれ)各自で用意してください」などと用います。
「夫々」の使い方
では「夫々」はどのように使う言葉でしょうか。
「夫々(それぞれ)」は、ごく日常的に頻繁に使う言葉で、会話でも文章でも使用します。
複数の要素からなる集合の要素一つ一つを表す場合に使える表現です。
例えば「美味しい煮シメを作るコツは、夫々の素材を別々に炊いてから最後に一緒に合わせることです。」などと表現できます。
「もの一つ一つ」のほか、もちろん「人間ひとりひとり」という意味でも使えます。
例えば:
「夫々意見を述べる」
「夫々が自由にテーマを選んでレポートを書いてください」
「夫々」の類義語・同義語
「夫々(それぞれ)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「個別(こべつ)」 ひとつひとつ別々にすることです。
- 「個々別々(ここべつべつ)」 「個別」の強調した表現です。
- 「各々(おのおの)」 関係者のひとりひとり。
- 「銘々(めいめい)」 ひとりひとり。おのおの。
他にも以下のような例もあります。
「各自(かくじ)」
「各個」
「各人」
「ひとりひとり」
「ひとつひとつ」
「手手に(てんでに)」
「面々(めんめん)」
「品々(しなじな)」
「夫々」の対義語・反対語
「夫々(それぞれ)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「一括(いっかつ)」 ひとまとめにすることです。
- 「一括り(ひとくくり)」 一括の和語的表現です。
- 「一纏め(ひとまとめ)」 ひとつにまとめることです。
- 「統括(とうかつ)」 わかれていたものを一つにまとめることです。
- 「包括」 全体をひとつに包み込んでまとめることです。
- 「集成(しゅうせい)」 同類のものを集めて一つのものにすること。
他に、
「一斉」
「統一」
などの例も挙げられます。
「夫々」を使った例文
「夫々(それぞれ)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- どの作品も夫々作者の個性が出ているが、わたしはとりわけこの版画が気に入った。
- こちらはビュッフェスタイルとなりますので、夫々ご自由にお好きなものをお好きなだけお取りください。
- 夫々の奏者が自分勝手に音を出していて全体としてのまとまりに欠けるオーケストラ。
- 好みはひと夫々、蓼食う虫も好き好きだよ。
まとめ
以上、「夫々(それぞれ)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「夫々」だけではなく、「ひとりひとり」や「各自」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。