「双眸(そうぼう)」という言葉は、ご存知でしょうか。
「双」はよく使う字ですし、意味も分かりやすいですが、「眸」はかなり使用頻度の低い難しい字ですね。
でも、意味は全然難しくないですし、一度覚えてしまえば次にどこかで出会ってもうろたえることはなくなるはず。
というわけで、以下で「双眸」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「双眸」の意味・読み方
「双眸」は「そうぼう」と読みます。
次に意味ですが、まずは「双眸」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「双」は、「ふたつ」「対(つい)」「並ぶ」などの意味があります。
「眸」は、「瞳(ひとみ)」「目」という意味があります。
この二つの漢字を合わせた熟語である「双眸」は、
「両目」「左右両方のひとみ」という意味です。
「眸(ぼう)」の字を熟語の成分として使う語は、
漢文ではいろいろ出てくるようですが、
現代の日本語で一般的に使う語としてはほぼこの「双眸」に限られるようです。
「双眸」の使い方
では「双眸(そうぼう)」はどのように使う言葉でしょうか。
「双眸」は非常に格調高く、詩的な雰囲気を持つ漢語です。
会話に使うのは同音異義語が多く紛らわしいため、避けたほうが無難でしょう。
文章で使うにしても、ビジネス文章などで使うと浮いてしまいます。
そういう場合は「両目」「両眼」を使います。
読みやすさを度外視した、格調高い文学作品や、歴史小説などで使うのにふさわしい語彙だと言えます。
逆に読みやすさ重視のエンタメでは、やはり「両目」のほうが意味が通りやすいでしょう。
「双眸」の類義語・同義語
「双眸(そうぼう)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
「両目(りょうめ)」 二つの目を表す一般的な言葉です。
「両眼」 「両目(りょうめ)」よりはやや固い語感の言葉です。
「双眼」 「双眼鏡」などの熟語で使います。
「両目(りょうもく)」 中世の古い言い方です。
「両のまなこ」 「まなこ」は「目玉」の別名です。
「両方の眼」 「両眼」の分かりやすい言い方です。
「双眸」の対義語・反対語
「双眸(そうぼう)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
「単眼(たんがん)」 眼が一つということです。
「片目(かため)」 目が片方だけということです。
「隻眼(せきがん)」 「片目」の漢語的表現です。
「独眼(どくがん)」 「片目(の人)」の漢語的表現です。
※「独眼竜」といえば伊達政宗を指します。
「めっかち」 片目しか見えない人。両目の大きさが違うことも示します。
(放送禁止用語に指定され、差別語との扱いを受けています)
「双眸」を使った例文
「双眸(そうぼう)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- こどもたちみんなの双眸に、希望の光が眩しいほどに輝いていたものだ、昔は。
- 絶対にアイドルとして成功してみせると言った彼女の双眸には強い決意がにじんでいた。
- カッと見開いた双眸に鋭い殺気がきらめいた。
- あのひとの大きく澄んだ双眸に、雨後の木漏れ日のような爽やかな光が反射していた。
まとめ
以上、「双眸(そうぼう)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「双眸」だけではなく、「両目」「両眼」など、さまざまな類語・対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。