「総括」という言葉は、ご存知でしょうか。
仕事がらみの会話や、会議、ちょっと硬めの文章ではよく登場する言葉ですが、ひょっとすると、いまひとつ曖昧なままでやりすごしている人もいるかもしれません。
仕事の場面で知らないと困る基本語彙ですので、出会ったこの機会に確認しておくと便利です。
それでは、以下で、「総括」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「総括」の意味と読み方
「総括」は「そうかつ」と読みます。
次に意味ですが、まずは「総括」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「総」は「すべて」という意味。
「括」は「くくる」「束ねてまとめる」という意味があります。
なので「総括」の意味は、
- 「別々のものをひとつにすること」
- 「全体をひとまとめにして扱うこと」
- 「全体を総合してしめくくること」
- 「すべての過程を検討したり評価すること」
などとなります。
大体の意味は一緒ですが、微妙に違う使い方をされることが分かります。
「総括」の正しい使い方
では「総括」はどのように使う言葉でしょうか。
やはり、硬い印象の漢語なので、改まった会話や文章で使う言葉です。
そして、私的な内容の話題ではなく、仕事絡みなどの公的な場面で使われます。
「総括」は、一つに集約した上で、最後にまとめをつける、結論を出す、ケジメをつける、という場面で使います。
「議論を総括する」「活動内容を総括する」などと使います。
団塊世代だと学生運動用語として記憶しているかもしれません。
それはちょっと恐ろしい意味を含みますが、話がそれますので興味のある方は調べてみてください。
「総括」の類義語・同義語
「総括」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「集約(しゅうやく)」 バラバラのものをひとまとめにすることです。総括のように結論を出すという意味合いはありません。
- 「纏め(まとめ)」 まとめは、結論をだすこと、そして出した結論そのものも意味します。
- 「概括(がいかつ)」 ざっと、おおざっぱに全体をひとまとめにまとめます。
- 「包括(ほうかつ)」 「総括」とはちょっと意味合いが違い、まとめてひとつに「包みこむ」ことです。
総括の類語「包括」に関しては下記の記事で解説しています。
参考:「包括的」の意味と使い方を解説!「包括的な」を使った例文を紹介
「総括」の対義語・反対語
「総括」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「断片的」 ひとまとめにされず、バラバラな状態です。
- 「個別的」 全体を総合的に見るのではなく、一つ一つ別々に、ということです。
- 「逐一(ちくいち)」 一つ一つ詳細に、ということです。
- 「一つ一つ(ひとつひとつ)」
- 「一々(いちいち)」
- 「個々に(ここに)」
- 「夫々(それぞれ)」
- 「銘々(めいめい)」
などが挙げられます。
「総括」を使った例文
「総括」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 過去十年間の創作活動を総括し、その反省から新たな創作の方向性を見出す。
- あまりに雑多な雑文を集めたために、それを総括するタイトルが決められない。
- 太平洋戦争の発端から帰結までを総括的に展望する。
- A同志の行為は、共産主義的革命的行動指針に背くのではないか。自己批判し、総括すべし。
まとめ
以上、「総括」の意味や用法について深掘りしてみました。
「総括」だけではなく、「集約」や「まとめ」など、さまざまな類語や、対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。