「縋る」という言葉は、ご存知でしょうか。
「縋」という漢字はあまり頻繁に使う字でもないので、読み方も意味も「?」となってしまう人が多いのではないでしょうか。
ただ、漢字の読み方さえ分かってしまえば、和語として誰でも知っている言葉なので、この機会に漢字の読み方を習得してしまいましょう。
それでは、以下で「縋る」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「縋る」の意味・読み方
「縋る」は「すがる」と読みます。
次に意味ですが、まずは「縋る」の漢字を確認しておきましょう。
「縋(ツイ)」という漢字には「かける」「なわを上から下にたらしかける」「すがる」「垂らした縄を伝って降りる」という意味があります。
和語の「縋る(すがる)」の意味は、
「すがる」
「たよる」
「よりかかる」
「体などの部分を捕まえて、離すまいとする」
「しがみつく」
「しっかりとつかまえる」
などです。
「縋る」の使い方
では「縋る(すがる)」はどのように使う言葉でしょうか。
「縋る」は、一般的に普通に使われる和語で、会話でも文章でも使われます。
「縋る」は「すがる」「すがりつく」などとひらがなで書くほうが一般的で、漢字で「縋る」と書くのはかなり高尚な印象です。また「縋」の字を用いた他の熟語などもあまりないようで、「縋る」という一語のためにこの字を覚えるのはかなりコストパフォーマンスが悪いと言えるでしょう。
教養として、書けないまでも、読めるようにはしておいたほうがいい語彙だと思われます。
「縋る」の類義語・同義語
「縋る(すがる)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「しがみつく」 しっかりとつかんだまま離れないこと。
- 「よりかかる」 他をあてにして、進んで体を預けること。
- 「とりつく」 すがりつくこと。(例:「取り付く島もない」)
- 「頼る」 困ったときなど、他の人に寄りかかろうという気持ちを抱くこと。
- 「恃む(たのむ)」 期待に答えてくれると信じて当てにすること。
- 「依存する」 力のある他者に寄りかかって成り立っていること。
「縋る」の対義語・反対語
「縋る(すがる)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「縋られた相手方がそれを拒否する」ことを反対と考えると、以下のような例が挙げられます。
「振り切る」
「振り払う」
「突き放す」
「見放す」
「見捨てる」
「放擲する」
「打ち捨てる」 - 「他人にすがらない」ことを反対と捉えると、以下のような例が挙げられます。
「自立する」
「独立する」
「自活する」
「独り立ちする」
「独立不羈」
「縋る」を使った例文
「縋る(すがる)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- そんな縋るような目で見られても、悪いけど何の手助けも出来ませんから。
- 藁(わら)にも縋る思いで、会社訪問を続けたが、どこも採用してくれなかった。
- 末期癌の祖父は藁(わら)にも縋るような思いで、様々な民間療法に手を出していたが、結局他界した。
- 苦手な男から告白された彼女が縋るような目でこっちを見たけれど、彼氏でもない俺が代わりにお断りするのもおかしな話だ。
まとめ
以上、「縋る」の意味や用法について深掘りしてみました。
「縋る」だけではなく、「しがみつく」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。