「種々」という言葉は、ご存知でしょうか?
どこかでは目にしている、実はけっこう頻繁に出会っている、でも、あまり意識せず、なんとなくやり過ごして済ましている……そんな位置づけの単語ではないでしょうか。
せっかく出会ったこの機会に、きっちり覚えて使いこなせるようにしてはいかがでしょうか。
ということで、以下では、「種々」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「種々」の意味
「種々」の読み方は、「しゅじゅ」です。
「しゅしゅ」とも、「くさぐさ」とも読みます。
(ちなみ私は、ずっと長い間、「たねだね」とも読むような気がしていましたが、これは勘違いでした! そうは読みませんのでご注意を!)
では、「種々」の意味はどうでしょうか。
「種々」の漢字を、ひとつずつ確認していきましょう……といっても、同じ字を二回繰り返しているんですね。
「々」は漢字ではなく、前の漢字を繰り返すという意味の記号で「ノマ点」と呼ばれています。
「種」は植物の種子という意味の他に「しな」「品目」という意味があります。
握り寿司の上にのせる「ネタ」は「種」をひっくりかえした符丁(業界用語)です。
「種々」は、「品目が複数、いろいろある」という意味になります。
「種々」の使い方
では「種々」は、どのように使われる言葉でしょうか。
類似した表現である「いろいろ」や、「さまざま」との使い分け方はどうなのでしょうか。
「種々」という場合には、多くのものが幾つかの種類に分類され、その種類が多数あるような状態を表します。
「種々の方法」とか「種々雑多」などと使います。
それに対し「いろいろ」は本体はまさに文字通り「色」そのものが多様であることを指しました。
「さまざま」は「様」つまり物の形態や状態が多様であることを指します。
この違いを覚えると、使い分けも簡単ですね。
「種々」の類義語・同義語
「種々」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「十人十色」
- 「多種多様」「多彩」
- 「取り取り(とりどり)」
- 「品品」
- 「事事物物」
- 「流流(りゅうりゅう)」
- 「四方山(よもやま)」
- 「色々」「様々」「各種」「各様」
- 「千万(せんばん)」
まさに、同義語・類義語も「種々」ある、という感じです。
「流流(りゅうりゅう)」は「流派によって様々ある」という意味で「細工は流流」などと使います。
「千万(せんばん)」は「迷惑千万」という表現が馴染み深いですが「数多い」だけでなく「いろいろある」という意味合いもあったんですね。
「種々」の対義語・反対語
「種々」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「一様」
- 「単調」
- 「単一」
- 「一色」
- 「一律」
- 「千篇一律」
- 「一本調子」
- 「平板」
- 「画一的」
- 「ワンパターン」
- 「判で押したよう」
反対語・対義語の類も、なかなか「種々」揃っています。
「画一的」を比喩的に表現する語彙として「金太郎飴」という言葉も使われます。
どこを切っても同じ顔が出てくることがその由来です。
「種々」を使った例文
「種々」はどのように使うのでしょうか。
以下に例文を挙げてみました。
- 収集癖のある彼の部屋は、種々雑多なコレクションで溢れかえっている。
- 種々の理由により、婚約解消を決意した。
- 会社を設立するには、種々の手続きが必要で、容易ではない。
- 庶民生活の種々相を垣間見る思いがした。
- 説明会で、種々(くさぐさ)のご意見を頂戴したが、全て聞き流した。
まとめ
以上、「種々」の意味や用法について深掘りしてみました。
類義語も、反対表現も、「種々様々」ありますので、是非、「いろいろ」と使い分けて、表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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