「他愛もない」の意味と使い方を解説!「他愛もない話」とは?

他愛もない

「他愛もない」という言葉は、ごくごく日常的に、よく使うし、耳にする表現です。

でも、ふと「他愛もない」の「他愛」って何のこと?

と、気になりだすとモヤモヤしてしまいますね。

そこが分からないと、分かっていたはずの意味まで、なんだか曖昧に思えてきます。

そこで、以下では、「他愛もない」の意味や用法について深掘りしていきましょう!

「他愛もない」の意味

「他愛もない」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。

「他」は「ほかの」という意味。

「愛」は、難しく考えると泥沼にはまりますが、ようするに、好き、異性を恋い焦がれる、可愛がるなどの意味。

「他愛」の意味は「他人を愛する。愛他主義」です。

……って、あれ? 思っていたのと全然関係ないですね。

実は「他愛」は当て字で、この漢字の意味に囚われてはいけなかったんです。

「たわい」という和語は「思慮。正体。とりとめ」などを意味します。

それが、「ない」のですから「たわいない」は「思慮がない」「とりとめがない」「はりあいがない」という意味。

「他愛もない」は「たわいない」の変化した形です。

「他愛もない」「たわいない」の使い方

「他愛もない」「たわいない」は、3つの意味合いで使用されます。

「他愛もない」の正しい使い方
  1. 「これといって取るに足りない」という意味。
    →これが通常よく使われるのではないでしょうか。
  2. 「正体がない」という意味。
    →ようは意識を失うことです。「たわいなく泥酔する」「他愛もなく眠ってしまった」などと使います。
  3. 「思慮分別のない」という意味。
    →「たわいないものね」「他愛もない子供」などと使います。

「他愛もない話」とは

これは、上記の「1」の意味合いで使われている表現で、「取るに足りない話」ようするに、とりとめのない雑談です。

はっきりした筋も起承転結も、オチもなく、面白くも、ありがたくもない、というような、どうでもいい話です。

「他愛もない」の類義語・同義語

「他愛もない」「たわいない」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。

以下に、例をあげてみましょう。

1.「これといって取るに足りない」という意味での類義語

  • 「取るに足りない」
  • 「くだらない」
  • 「ちっぽけな」

などなど。

2.「正体がない」という意味での類義語

  • 「不覚」
  • 「前後不覚」
  • 「気を失って」

など。

3.「思慮分別がない」の意味での類義語

  • 「無分別」
  • 「粗忽」
  • 「大人げない」
  • 「そそっかしい」
  • 「おっちょこちょい」

などが、それに当たるでしょう。

「他愛もない」の対義語・反対語

「他愛もない」「たわいない」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。

以下に、例をあげてみましょう。

1.「これといって取るに足りない」という意味での反対語

  • 「重要な」
  • 「意味のある」
  • 「おもしろい」
  • 「筋の通った」

などが場合によって使われます。

2.「正体がない」という意味での反対語

  • 「しゃっきりしている」
  • 「気をたしかに持って」

など。

3.「思慮分別がない」の意味での反対語

  • 「思慮深い」
  • 「知性的」
  • 「優秀な」
  • 「ひとかどの」
  • 「立派な」

などを、場合によって使い分けます。

「他愛もない」を使った例文

「他愛もない」はどのように使うのでしょうか。

以下に例文を挙げてみました。

「他愛もない」を使った例文
  1. クロロホルムを染み込ませたハンカチで口をおおうと、ターゲットは他愛もなく意識を失った。
  2. 喫茶店で他愛もない雑談を5時間もしていたら、さすがにちょっと疲れた。
  3. なんの刺激もはりあいもない、たわいない男。もう別れる。
  4. 他愛もない話で、ご退屈だったでしょうが、聞いてもらってすっきりしました。

まとめ

以上、「他愛もない」「たわいない」の意味や用法について深掘りしてみました。

類語や、言い換え表現も、上手に使い分けて、表現の幅を広げていただければと思います。

「他愛もない話」も「ちょっといい話」になるかも?

この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。