「退廃的(たいはいてき)」という言葉は、どことなく心をざわつかせるような妖しい雰囲気を持った言葉ですね。
でも、なんとなくイメージは出来るけれども、正確な意味は曖昧、ということも多いのではないでしょうか?
気になったら機会を逃さず、使いこなせる言葉にしてしまいましょう。
ということで、以下では「退廃的」の意味や用法について深掘りしていきます!
「退廃的」の意味
「退廃的」は「たいはいてき」と読みます。
つぎに、「退廃的」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「退」は「しりぞく」という意味のほかに「おとろえる」があります。「衰退」「退色」などと使います。
「廃」は「すたれる」「おとろえる」「こわれる」という意味があります。
「的」は「~という様子」です。
というわけで、「退廃的」は文字通りには「勢いが衰えて駄目になる」という意味です。
しかし、そこから意味が広がり、精神的な意味合いで使われるようになり、
「質実剛健な気風が廃れて、不健全・柔弱になって、堕落する」
という意味で使用されています。
「退廃的」の使い方
「退廃的(たいはいてき)」は「不健全・柔弱な気風になる」「堕落する」という場合を現します。
「デカダン」というフランス語もよく使われますが、意味は「退廃的」で同じです。
仕事や、学問、スポーツなどに熱心に取り組んだりせず、昼間から酒を飲んだり、ギャンブル、色ごと、酒・タバコ・麻薬に溺れたり、そういった不道徳な生活にのめり込んでいることを「退廃的」と表現します。
「退廃的な生活」とは
「退廃的な生活」とは、真面目な生活の対極にあるような生活のことです。
定職について真面目に働き、コツコツ貯金し、夢や目標を持っていて、規則正しい食事や、寝起きをする。という立派な生活態度の正反対ということです。
仕事をしない、昼夜逆転生活、酒タバコ麻薬、ギャンブル、乱脈な性生活、良心が麻痺して、悪徳に耽る……などなど退廃的といえる要素はいろいろあります。
イマドキであれば、ネットゲームにハマって抜け出せない「ネトゲ廃人」なども、「退廃的な生活」と呼べるかもしれませんね。
「退廃的」の類義語・同義語
「退廃的(たいはいてき)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「頽唐(たいとう)」=道徳的な気風が乱れて衰えること
- 「凋落(ちょうらく)する」=枯れ葉がしぼんで落ちるように、衰退すること
- 「没落する」=衰えて滅びること
- 「デカダン」=フランス語で「退廃的」を意味
その他、「堕落」「不健全」「不道徳」「不真面目」「厭世的(えんせいてき)」「世紀末的」なども退廃的に近い意味で使われます。
「退廃的」の対義語・反対語
「退廃的(たいはいてき)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「健全」=健やかなこと。常態を保っていること。もっとも退廃的の対極にある
- 「質実剛健」=飾り気なく、真面目で、強く、健やか
- 「道徳的」=道徳が衰えるのが退廃
- 「真面目」=誠実で、飾らず、まっすぐな生き方
その他に「石部金吉」という、固いものを二つ並べて人名にした言葉があります。非常に固くて真面目という意味です。さらに「石部金吉金兜」という熟語もあります。もうクソ真面目で、融通が利かないという感じです。
「退廃的」を使った例文
「退廃的(たいはいてき)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
「退廃的」を使った例文
- 没落した貴族の退廃的な生活を描いた芸術映画
- デカダン派とは、19世紀末にヨーロッパで起こった退廃的な芸術運動のことです。
- 迫りくる戦争の影や、長引く不況が、退廃的な時代の風潮を助長していた。
- 退廃的な美人画や春画を粗製乱造していた浮世絵師
- 退廃的で爛(ただ)れた生活に堕ち、すっかり染まってしまったので、なかなか健全な生活に戻れない。
まとめ
以上、「退廃的」の意味や用法について深掘りしてみました。
「退廃的」だけではなく、さまざまな類語や、対義語も、うまく活用して
ぜひ、表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。