「体躯(たいく)」という言葉は、ご存知でしょうか。
「躯」という字は普段頻繁に使う字ではないので、「体躯」は、見たことがない、という人も多いのではないでしょうか。
一度知ってしまえば、特に難しくもない語彙なので、この機会に、ちゃちゃっと「体躯」を習得してしまいましょう。
それでは、以下で「体躯」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「体躯」の意味・読み方
「体躯」は「たいく」と読みます。
また「からだ」「なり」と読ませる例もあります。
次に意味ですが、まずは「体躯」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「体」は、「からだ」です。
「躯」は、「からだ」「頭・足などの区切りがあるからだ」「むくろ。死体」などの意味があります。
この同じような意味の漢字二つを並べた熟語の意味は、文字通りにはズバリ「からだ」そのものです。
日本語の熟語としての意味は、
「からだ」
「からだつき」
「大小や、たくましさの有無などの点から見たからだ、からだつき」
です。
「体躯」の使い方
では「体躯(たいく)」はどのように使う言葉でしょうか。
「体躯」は「からだ」「からだつき」という意味の言葉ですが、少々固い印象のある漢語なので、会話よりは、格調の高さを狙った文学的な文章などで用います。
「堂々たる体躯」といった言い回しがよく使われます。
「体躯」は人間の体だけではなく、牛などの家畜に対しても使いますし、大きな樹木などについても使えます。また、自動車、機関車など大型の乗り物や、機械などに対しても使えます。
「体躯」の類義語・同義語
「体躯(たいく)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「身体(しんたい)」 体のこと
- 「背格好(せかっこう)」 身長と体つきのこと
- 「からだつき」 外観から見た体の様子
- 「体格(たいかく)」 発育や栄養の状態から見た体の格好
- 「恰幅(かっぷく)」 からだの格好
- 「体型、体形(たいけい)」 体格の形
- 「筋骨」 筋肉と骨です。「筋骨隆々」などと用いる
- 「スタイル」 姿、格好
「体躯」の対義語・反対語
「体躯(たいく)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
言葉の性質上、対義語と呼べるものはありませんが、体と対比されるものは「心」なので、その関連語を挙げます。
- 「心」 人間の精神作用のもととなるもの、その作用
- 「魂」 動物の肉体に宿って、心の働きを司ると考えられるもの
- 「精神」 思考や感情の根源にあると考えられる心の働き
- 「意識」 認識・思考する心の働き
「体躯」を使った例文
「体躯(たいく)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 旧型の機関車はとても大切に手入れされていて、黒くて大きなその体躯は濡れたように黒光りしていた。
- 堂々たる体躯をそびやかすように、道の真中を歩いた。
- 駆け付けてみると、その牛は倒れ込んで体躯全体を痙攣させ、血走った目をして苦しげに吠えていた。
- 大きな体躯をいかにも気だるそうに起こして、大あくびをした。
まとめ
以上、「体躯(たいく)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「体躯」だけではなく、「体格」や「恰幅」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。