「多寡」という言葉は、ご存知でしょうか。
「多」の漢字はごく普通に使うけれど、「寡」のほうはあまり馴染みがない、という人も多いかもしれません。
しかし、一度知ってしまえば難しい意味の熟語でもないので、せっかく出会ったこの機会に「多寡」をマスターしてしまいましょう。
というわけで、以下で、「多寡」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「多寡」の意味と読み方
「多寡」は「たか」と読みます。
次に意味ですが、まずは「多寡」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「多」の意味は「おおい」です。
「寡」の意味は「ひとり、ひとり者」「やもめ」「弱い」など色々ありますが、ここでは「少ない」という意味です。
この二文字が合わさった熟語「多寡」の意味は「多いことと少ないこと」です。
「多寡」の正しい使い方
では「多寡(たか)」はどのように使う言葉でしょうか。
「多寡」は「多いことと少ないこと」「多いか少ないか」という意味ですので、「多少」という言葉と意味は同じです。
なので、「多少」とほぼ同様に使えます。
でも、「多少」のほうには、「多いか少ないか」という意味の他に「少しぐらい、少量の」という意味での使い方があります。
「多少のことは大目に見る」などと言います。「多寡」にはそういう用法はありません。
また、「多少」に比べて、やや堅苦しい表現ですので、会話よりは文章で使うのがふさわしい語彙です。
「多寡」の類義語・同義語
「多寡(たか)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
「多少」使い方の項でも説明した通り、「多少」のほうには「少し、少々」という使い方がありますので気をつけましょう。
また「多寡」のように量の大小を言う言葉でも、比較する性質の違いによって以下のような表現を使い分けることが出来ます。
- 「大小」 大きいか小さいか。
- 「強弱」 強いか弱いか。
- 「高低」 高いか低いか。
- 「軽重」 軽いか重いか。
「多寡」の対義語・反対語
「多寡(たか)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
言葉の性質上、反対語・対義語というものはありません。
物事の「多寡」によって変化することを「多寡によって」「多寡に従って」「多寡で」などと言いますが、「多寡」によっては変化しないとすれば「多寡に関わらず」「多寡を問わず」などが反対表現ということが出来るでしょう。
他に「大小を問わず」「軽重に関わらず」「強弱に関係なく」などが類似した反対表現と言えるでしょう。
「多寡」を使った例文
「多寡(たか)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 「選挙は民意を反映するなどというのはタテマエで、実のところ選挙資金の多寡が勝敗を決するのだ。」
- 「『多寡が~のくせに』、『多寡を括る』、などの用法は古くから文章のプロの文中にも散見しますが、これは『高が』『高を括る』の誤用ですので、みなさんはくれぐれも真似をしないように。」
- 「カウンターを使って交通量の多寡を調べる仕事。」
まとめ
以上、「多寡(たか)」の意味や用法について深掘りしてみました。いかがだったでしょうか。
「多寡」だけではなく、「多少」、「大小」などのさまざまな類語や、対義語なども、うまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。