多岐にわたるとは「物事が複数の異なる話題や分野に及んでいること」という意味です。例文を挙げるならば「この学校では多岐にわたる分野の人材を輩出している」などのように使用します。他にも「多岐にわたる」を使用した例文や正しい使い方などを解説しています。
「多岐にわたる」という言葉は、よく使われる、使用頻度の高い表現です。
少々、角ばった語感でもありますが、その分、大人っぽさがありますので、文章中やビジネスシーンでの会話で活用すれば、出来る人という印象を得られるのではないでしょうか。
そこで、以下では「多岐にわたる」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「多岐にわたる」の意味
「多岐にわたる」の読み方は、「たきにわたる」です。
「岐」の字はもともとは中国の山の名前ですが、「わかれること」「わかれみち」「えだみち」を意味する字です。
「多岐」以外では、「分岐」「分岐点」などで使います。
それぞれ「みちが分かれる」「みちが分かれる地点」という意味です。
「多岐にわたる」の本来の語義は、「道が幾筋にも分かれていること」「分かれ道が多数あること」を指します。
そこから使用する場面が広がって、ものの用途・利用方法がいろいろある、あることを実現する方法が多種類ある、あることの意味合いが複数ある、など、様々な場面で活用されている語です。
「多岐にわたる」の正しい使い方
では「多岐にわたる」の正しい使い方はどうでしょうか。
大事なポイントは「多」と言う以上は、選択肢が多くないとダメ、ということです。
選択肢が2つしかなければ、それは、「あれかこれか」「二者択一」であって、「多」ではありません。
では、選択肢が3つなら? 一体、いくつからが「多」なのか、感じ方は様々だと思いますが、3つあれば、ギリセーフ!という感じではないでしょうか。
少々、話を「盛っている」感はありますが、多少オーバーに表現するのは、世の常ですね。
選択肢が4つ以上あれば、これはもう堂々と胸を張って「多岐にわたる」を使いましょう!
「多岐にわたる」を使った例文
「多岐にわたる」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 十徳ナイフは、本来のナイフとしての用途の他、ドライバー、はさみ、やすり、のこぎりなど、その用途は多岐にわたる。
- オールマイティ型のAさんは、料理、釣り、プログラミング、書道、射撃など、多岐にわたる特技を持っている。
- 赤という言葉は、色の名前、お金の赤字、程度の激しさ、あからさまである様子、共産主義者などなど、その語義は実に多岐にわたる。
- 本学は、政治、経済、科学、芸術など、多岐にわたる分野の人材を輩出しております。
「多岐にわたる」の類義語・同義語
「多岐にわたる」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
- バラエティに富む
- 種類豊富な
- 色々な
- 様々な
- 種々の
- 多彩な
- 多方面にわたる
- 多分野に及ぶ
- 数々の
- 諸々の
- 多面的な
- 多角的な
- 幅広い
- 広範な
「多岐にわたる」の類義語として、「いろいろある」という意味の「種々」ということが言葉あります。
「種々」に関しては、【「種々」の意味と使い方を解説!「種々」を使った例文を紹介】で解説しています。
他にもまだまだありそうです。
「多岐にわたる」言い換え候補から、一番ふさわしい語を選んで使いましょう。
そうすることで表現の幅がぐっと広がることでしょう。
「多岐にわたる」の対義語・反対語
「多岐にわたる」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
はっきりとした対義語と呼べる表現はなさそうですので、近いニュアンスを持つ言い換え表現を、以下にあげてみましょう。
- 選ぶ余地なし
- 選択の余地なし
- 選びようがない
- 一択の
- 唯一の
- 単一の
- 二者択一
- あれかこれか
- これ一本槍
- これ一筋
- もっぱら
- ひたすら
- ただただ
- そうするしかない
- 他に術がない
まとめ
以上、「多岐にわたる」の意味や用法について深掘りしてみました。
類語も合わせて覚え、場面にあったふさわしい語彙をチョイスできれば、多彩な表現が可能となります。
この記事が、あなたの文章表現の幅を広げるお役に立てば、とても嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。