「偶々」の意味と使い方を解説!「偶々」を使った例文を紹介

「偶々」という漢字、あなたは読めますか?

これは「たまたま」と読むんです。よく使う言葉ですが、普段あまり漢字で目にする事はないかもしれませんね。

「偶々」と似た言葉もたくさん存在しますが、普段この「偶々」を正しい文脈で使えているのでしょうか?

この記事では、「偶々」の意味と使い方、類義語・同義語、対義語・反対語、そして「偶々」を使った例文をご紹介します。

「偶々」の意味と読み方

「偶々」は「たまたま」と読む副詞です。

この言葉の意味は、大きく分けて二つ。

まれではあるが、時折り

偶然に。思いがけなく。ちょうどその時

1の意味だと「偶に(たまに)」
2の意味だと「偶然(ぐうぜん)」と同じように使えます。

ただし現在「偶々(たまたま)」は、主に2の意味【意図していなかったのに、そうなったこと。起こらない可能性もあったこと】に対して使われています。

 

「たまたま」の語源は「たま」ですが、その意味は「めったにない事。まれな事。」です。

なお「偶々」のもとは、「偶偶」です。

このように同じ単語や語根を繰り返して1語とした言葉を「畳語(じょうご)」と呼びます。
「口々(くちぐち)」「黒々(くろぐろ)」などですね。

「偶々」の使い方

「偶々(たまたま)」は日常会話から少し硬めの文章まで幅広く使える言葉です。

この言葉の意義は大きく2つに分けられるので、それぞれの使い方を見てみましょう。



まれではあるが、時折り。

最近「偶々」をこの意味で使うことは少ないのですが、念の為。

例) 「あの人とは、たまたま道ですれ違った時に、挨拶するだけの関係だよ。」
のように使います。つまり「偶に(たまに)」と同じ使い方ですね。


偶然に。思いがけなく。ちょうどその時。

この「偶々(たまたま)」は「偶然(ぐうぜん)」と似た様な意味を持ち、【それが意図的でなかった時】に使います

【ある事態に多少驚き、その偶然性を強調する】ための言葉だと考えてください。


「たまたま」は謙遜表現として使われることもあります。
例) A「B君、学年トップなんてすごいね!」
B「いやぁ、たまたまだよ。」

 

MEMO
ちなみに、「偶々」と「偶然」の2つは全く同じという訳ではないので、違いを整理してみましょう。

1、「偶然」は副詞以外に名詞・形容動詞としても使うが、「たまたま」は副詞のみなので、後に来る名詞を修飾できない。

○「偶然の出来事」
☓「たまたまの出来事」

2、「たまたま」は主に自分に原因がある時、「偶然」は自分に原因がない時に使う傾向がある。

もう少し分かりやすい言い方をすれば、
「たまたま」は、【その人が意識していなかった】という意味が強い
「偶然」は、【確率が低いものが重なった】という意味が強い

つまり「たまたま」は【個人的】、「偶然」は【客観的】な表現に使われる傾向があるということです。

ちょっと難しいと感じた人は、

「偶然」の代わりに「たまたま」を使っても大丈夫だけれど、「たまたま」を「偶然」に置き換えると意味不明になる場合がある
ということだけは覚えておいてください!

「偶々」の類義語・同義語

「偶々(たまたま)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。

1、まれではあるが、時折り。の意味の場合
めったにない
たまに、めったに、めずらしく、まれに、時折、時たま、たまさか


2、偶然に。思いがけなく。ちょうどその時。の意味の場合
(偶然に)
偶然、期せずして、思いがけず、はからずも、ゆくりなく、巧まずして、たまさか

(故意でなく)
意図せず、思わず、何となく、何気なく、無意識に、ふと、ふっと、ふいと、つい、ついつい、ひょいと、偶発的、偶、偶然、巧まずして、思いがけず、端なく

(可能性を通して)
期せずして、予想外の、予期せず、はからず、たまさか、ひょっと、偶然、はからずも、ゆくりなく、思いがけず、巧まずして、意外にも

(事前計画無しで)
ふと、ふいと、ふらっと、ひょっこり、端無く、はからず、巧まずして、たまさか、偶然、期せずして、衝動的に、通りがかりに

(ちょうどその時)
運良く、運悪く、ラッキーな事に、ちょうどよく、都合よく、都合悪く、まぐれに、奇遇、めぐり合わせ、折よく、折悪しく、間の悪いことに、運命的

「偶々」の対義語・反対語

「偶々(たまたま)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。

まれではあるが、時折り。
この意味での反対語は、
常に、いつも、毎度、毎回、常々(つねづね)などが挙げられます。

反対語にはなりませんが、若干【頻度】を落としたい場合は、
よく、頻繁に(ひんぱんに)、しばしば、度々(たびたび)等も使えます。

偶然に。思いがけなく。ちょうどその時。
こちらの反対語は、「必然(ひつぜん):必ずそうなること」です。

たとえば、
毎日一生懸命勉強したので、必然的に試験に合格した。

ただし「必然」は明確な対義語という訳ではないので注意が必要です。

その他には、予想通り、思った通り、なども「偶々」の反対表現として使えます。

「偶々」を使った例文

最後に「偶々(たまたま)」を使った文例をいくつかご紹介します!

「偶々(たまたま) 」を使った例文
  1. あの日、たまたま一本遅い電車に乗ったから、事故を免れた。
  2. たまたま私が座っていた外野席に、ホームランボールが飛んできた。
  3. 風邪を引いて学校を休んだら、たまたまその日に抜き打ちテストがあった。
  4. たまたま昨日勉強した問題が、そのまま期末試験に出た。
  5. 水曜日たまたま明け方まで起きていたから、隣の家の火事に気がついたんだよ。
  6. 「ホールインワンですか。すごいですね!」「いやいや、たまたまですよ。」
  7. レンタカーを借りようと思ったら、たまたま今日は免許証を持ってきていなかった!
  8. 旅行中にたまたま入ったラーメン屋で、地元の幼馴染に出くわした。

まとめ

以上、本記事では「偶々」という言葉についてご紹介しました。

今回「偶々」この言葉についてご説明しましたが、「偶には」こうやって言葉を深掘りする事も必要ですね!!

偶々この記事を読んだあなたが、「偶々」の意味を正しく理解し、使いこなしてくれたらとても嬉しいです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。