「端緒(たんしょ)」という言葉は、ご存知でしょうか。
ごく普通に使われる語句ではありますが、案外気づかないふりをしてスルーして済ませてしまっている、そんな語句でもあるのではないでしょうか。
せっかく出会ったこの機会に、「端緒」をマスターして損はありません。
それでは、以下で「端緒」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「端緒」の意味・読み方
「端緒」は「たんしょ」と読みます。(「たんちょ」は慣用読み)
次に意味ですが、まずは「端緒」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「端」は複数の意味がありますが、ここでは、「はじめ」「いとぐち」「きざし」の意味です。
「緒」は、「いとぐち」「糸の先端」「はじめ」「はし」「起こり」などの意味です。
類似した二文字が合わさったこの熟語の意味は、
「そこから物事が始まる(解決する)きっかけ」
「事の始まり。いとぐち。てがかり」
です。
「端緒」の使い方
「端緒(たんしょ)」は、どちらかどいえば、会話よりも文章中でよく使う言葉です。
会話中で使うときは「短所」と紛らわしくなることがあるので、そういう場合は、「発端」とか「きっかけ」「ことの起こり」などと言いかえると通じやすいでしょう。
「端緒」を使った定型的な言い回しも多数あります。
「端緒を開く」……「交渉の端緒を開く」など。
「端緒を見出す」……「事件解決への端緒を見出す」など。
「端緒をつかむ」……「問題改善の端緒をつかむ」など。
「端緒に就く」……「新規事業が端緒に就く」など。
「端緒となる」……「犯人逮捕の端緒となった証拠」など。
「端緒」の類義語・同義語
「端緒(たんしょ)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
「引き金」……例として「開戦への引き金を引く」など。
「足掛かり」……例として「新発明への足掛かりを得る」など。
「契機」……例として「方向転換の契機となる」など。
「糸口(いとぐち)」……例として「事件解決の糸口をつかむ」など。
「口火」……例として「戦闘の口火を切る」など。
「発端」……例として「事件の発端となった出来事」など。
- 引き金
- 足掛かり
- 契機(けいき)
- 糸口(いとぐち)
- 口火(くちび)
- 発端(ほったん)
「端緒」の対義語・反対語
「端緒(たんしょ)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
「端緒」は、「そこから物事が始まる(解決する)きっかけ」ですから、反対は「一連のものごとの終わりや、その結果」ということになります。
そういう状況を示す表現として、次のような言い回しが挙げられます。
- 結末
- 結果
- 結論
- 成果
- 解決
- 最後
- 掉尾(ちょうび)
- 大団円(だいだんえん)
- 一件落着
- エンディング
「端緒」を使った例文
「端緒(たんしょ)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- フランシスコ・ザビエルが日本におけるキリスト教布教の端緒を開いた。
- 真珠湾攻撃が日米開戦の端緒となったとされている。
- 足を棒にしての聞き込みの末に、ようやく犯人逮捕への端緒となる情報をつかんだ。
- ある事業部門での業務提携が、両社の合併の端緒となった。
- テストで0点を取ってひどく叱られたことが、奮起への端緒となった。
- ある本の発禁処分が、猥褻罪と表現の自由をめぐる裁判の発端だった。
まとめ
以上、「端緒」の意味や用法について深掘りしてみました。
「端緒」だけではなく、「糸口」や「足掛かり」など、さまざまな類語や、対義語まで、うまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。