「諦念」の意味と使い方を解説!「諦念」を使った例文を紹介

諦念

「諦念(ていねん)」という言葉は、ご存知でしょうか。

なんだか難しい漢字だし、使ったことがないという人も多いかもしれません。

でも、一度知ってしまえば難しい言葉ではないので、せっかく出会ったこの機会に、パパッと覚えてしまってはいかがでしょうか。という訳で、以下では「諦念」の意味や用法について深掘りしていきましょう!

「諦念」の意味

「諦念」は「ていねん」(または「たいねん」)と読みます。

次に意味ですが、まずは「諦念」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。

」は本来、中国では「明らかにする」「真理」という意味です。
「諦観」「要諦」などはこちらの意味で使われています。

しかし、日本に入ってから「諦」は「あきらめる」という意味でも使われるようになりました。

」は「おもい」「気持ち」です。

という訳で「諦念」という言葉は、
・「ものごとの道理を悟って、迷いを去ること。」
・「あきらめの境地に達すること。諦めること。」
と、二つの意味があります。

「諦念」の使い方

以上で見たように「諦念(ていねん)」には二つの意味がある訳ですが、いずれの意味で使うにしても、固い語感のある言葉なので主に文章中で使用します。

日常的には「あきらめの境地に達する。諦める。」という意味で使うことが多いと思われます。

普通には「あきらめ」と表現する場面で「諦念」を使うと、文章がぐっと高尚に、格調高い感じになります。

「諦念をもつ」とは

「諦念(ていねん)」という言葉の使い方で迷うのは、微妙な言い回しの部分です。

まず、「あきらめ」と同じく「諦念」も名詞として使います。

「諦念をもつ」という言い方も、間違いではありませんが、使用例は少ないようです。

「諦念に達する」「諦念に至る」「諦念に打ちひしがれる」などは自然な用法です。

「諦念する」と動詞で使うのは誤りだという説明もネット上には転がっていますが、そんなことはありません。「諦念する」「諦念した」「諦念して」なども用例があり、普通に使って大丈夫です。

 

「諦念」の類義語・同義語

「諦念(ていねん)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

 

「諦念(ていねん)」の類義語・同義語
  • 諦観する
  • あきらめる
  • 断念する
  • 観念する
  • お手上げ
  • 覚悟する
  • もはやこれまで
  • 匙を投げる(さじをなげる)
  • 泣き寝入りする
  • 見送る
  • 手を引く
  • ギブアップ
  • 思いとどまる
  • 捨て去る
  • 見切る
  • 見限る

などが挙げられます。

諦めるにも、さまざまな場面やニュアンスがありますね。

「諦念」の対義語・反対語

では、「諦念(ていねん)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。

 

「諦念(ていねん)」の対義語・反対語
  • 「煩悩(ぼんのう)」=悟る意味の諦念を妨げるもの
  • 「迷い(まよい)」=悟りに達していない状態
  • 「迷妄(めいもう)」=ものごとの道理を知らないこと
  • 「執念(しゅうねん)」=あきらめという意味の「諦念」と対照的な言葉
  • 「執心(しゅうしん)」=一つのことに深く思いをかけること
  • 「執着(しゅうちゃく)」=そのことばかり心にかける。思い込むこと

「諦念」を使った例文

「諦念(ていねん)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。

「諦念」を使った例文

 

「諦念(ていねん) 」を使った例文
  1. 彼女の目には、厳しい決意と諦念が入り混じったような色が浮かんでいた。
  2. 家族を失ったのちの彼は、深い諦念のうちに暮らし続けていた。
  3. 叫び出したいような悲しみというより、神に見捨てられて暗い運命を覚悟したかのごとき諦念に近かった。
  4. 老境に至った私は、あらゆる希望や理想はすべて虚しいものだという諦念に達した。

 

まとめ

以上、「諦念」の意味や用法について深掘りしてみました。

「諦念」だけではなく、さまざまな類語や、言い換え、対義語など、うまく活用して表現の幅を広げていただければと思います。

この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。