「体裁」という言葉は、ご存知でしょうか。
これは、読み方さえ分かってしまえば、誰でも知っている言葉ですし、使い方に戸惑うということもあまりない語句だと思います。
ただ、あまりに意識せずに使っているので「体裁」と改まって漢字で表記されると、逆に正しく使っているか不安になるかもしれません。
それでは、以下で「体裁」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「体裁」の意味・読み方
「体裁」は「ていさい」と読みます。
次に意味ですが、まずは「体裁」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「体」という漢字には「からだ」や「もの」という意味もありますが、ここでは、「かたち、すがた、ありさま」という意味です。
「裁」という漢字には、「布を断ち切る」「さばく」など多くの意味がありますが、ここでは「かた、ようす」という意味です。
この似たような意味の漢字二つを並べた熟語「体裁」の意味は、
「物を外から見たときの感じ」
「世間の人から見られたときの自分の格好」
などです。
「体裁」の使い方
では「体裁(ていさい)」はどのように使う言葉でしょうか。
「体裁」は、ごくごく一般的に多用される漢語で、あらゆる場面で使います。
意味も細かく見ると、様々な用法に分けられます。
1、物を外から見た時の感じ。
例:「書類の体裁が悪い」
2、自分の状態について、世間から見た時の感じ。世間体。見栄(みえ)。
例:「お古ばかり着せていると体裁が悪い」
例:「体裁ばかり気にする人」
3、一定の水準を整えるべき形式。
例:「謝恩会としての体裁が整った」
例:「詩の体裁をなしていない」
4、相手に気に入られるための実質を伴わないこと。
例:「お体裁ばかり言う人」
また、「体裁ぶる」という言い回しがあり、「世間体ばかり気にする」「見栄を張る」という意味で使われます。
「体裁」の類義語・同義語
「体裁(ていさい)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
体裁や、人目を気にすることにかけては命がけの(?)日本ですから、さすがに無数の類語があります。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「外聞(がいぶん)」
- 「世間体(せけんてい)」
- 「見栄(みえ)」
- 「体面(たいめん)」
- 「外目(そとめ)」
- 「外見(がいけん)」
- 「為体(ていたらく)」
- 「形振り(なりふり)」
- 「格好(かっこう)」
- 「人目(ひとめ)」
- 「人聞き(ひとぎき)」
- 「見てくれ」
- 「上辺(うわべ)」
「体裁」の対義語・反対語
「体裁(ていさい)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「実質(じっしつ)」 実際にその中身を満たしている内容。
- 「中身(なかみ)」 物のなかに詰まっている本質的要素。
- 「内容(ないよう)」 そのものの内部を構成しているもの。
- 「内情(ないじょう)」 世間に知られると困る内部の事情。
- 「実情(じつじょう)」 実際の状況、状態。
- 「台所事情(だいどころじじょう)」 やりくりが必要な内部の事情。(例:「日ハム投手陣の厳しい台所事情」)
- 「水面下(すいめんか)」 外部には見せず、一部の関係者しか知りえない内部。
「体裁」を使った例文
「体裁(ていさい)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- この論文、内容は申し分ないので、もう少し体裁を整えてください。
- とにかく面白い小説だと絶賛される一方で、日本語としての体裁をなしていないとの批判もある。
- 賞味期限の近い値引き品ばかり買っているようで体裁が悪い。
- 近代国家としての体裁をなすために早急に憲法を制定しなければならない。
- 家族の恥を外に晒すなとか、エリートとしての体裁を整えたいだけなのが見え見えなんだよ。
まとめ
以上、「体裁(ていさい)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「体裁」だけではなく、「世間体」や「見栄」など、類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。