さあ、あなたは今「蹲って」という言葉に遭遇したところです。
これはかなり、難読・難解な言葉ですね!
旁(つくり、字の右側) である「尊」から音読みは「ソン」だろうと推測できますが、じゃあ訓読みは?
偏(へん、字の左側)の「足」から、どうやら体の部分や動作に関係がありそうな気がしますが、一体どういう意味の言葉なんでしょうか。
そこで、以下では「蹲って」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「蹲って」の意味と読み方
「蹲って」の読み方
「蹲って」は「うずくまって」と読みます。
基本形は「蹲る=うずくまる」です。
同じ「蹲」の字を使って、「蹲う」とすると、これは「つくばう」という読み方になります。
意味としては「うずくまる」も「つくばう」もほぼ一緒です。
「蹲って」の意味
「蹲(うずくま)って」の意味は何でしょうか。「蹲」という漢字の意味から手繰っていきましょう。
「蹲」という漢字の意味は「つくばう」「うずくまる」「しゃがむ」です。
他の意味もある字ですが、煩雑になるのでここでは触れません。
したがって、「蹲って」「蹲る」はまさに「うずくまる」という意味です。
膝を曲げて姿勢を低くする状態のことです。
「蹲って」の使い方
次に「蹲(うずくま)って」の使い方をみてみましょう。
「うずくまる」は、膝を折って、腰を落としている状態ですが、ケモノが前足を立てて坐っている状態も意味します。犬で言う「おすわり」状態ですね。
「つくばう」だと、「よつんばいになる」という意味でも使われます。
この読みでは「這いつくばう」という表現が身近ですよね。
「蹲」の字を使った熟語で「蹲踞」(そんきょ)があります。
「踞」は「からだをこごめる」意味です。
相撲では、仕切り前に、膝を開いて深く曲げて、かかとを上げ、上体をまっすぐ伸ばした姿勢のことを「蹲踞」(そんきょ)と呼んでいます。
「蹲って」の類義語・同義語
「蹲(うずくま)って」「蹲る」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 踞む(こごむ)
- 屈める(こごめる)
- 平伏する
- 平身低頭する
- しゃがむ
- しゃがみこむ
また、気落ちして体を小さく縮めていることを比喩的に「うずくまる」と表現することを考えると、
- 崩れ込む
- 崩れるように座る
- 崩折れる(くずおれる)
- 落ち込むように座る
などが、類似した表現と言えるでしょう。
「蹲って」の対義語・反対語
「蹲(うずくま)って」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 立つ
- 起立する
- 立ち上がる
- すっくと立つ
- 起き上がる
- 身を起こす
- 体を伸ばす
などが挙げられます。
また、「うずくまる」を、気落ちして体を小さく縮めていることの比喩表現と捉えると、その反対の表現としては、
- 胸を張る
- 身を反らせる
などがそれにあたると言えるでしょう。
「蹲って」を使った例文
「蹲(うずくま)って」「蹲る」「つくばう」はどのように使うのでしょうか。
以下に例文を挙げてみました。
- 我が子の突然の訃報を聞いて、思わずその場に蹲ってしまった。
- この汚らわしい奴隷め。さあ、そこに這いつくばって、足を舐めるんだよ!
- 急にめまいに襲われてその場に蹲っていたが、誰もが目をそらして通り過ぎていくばかりだった。
- 車の陰に蹲ってこちらを見ていた猫は、目が合うと、さっとその場を立ち去った。
まとめ
以上、「蹲って」の意味や用法について深掘りしてみました。
「蹲る」は「うずくまる」、「蹲う」は「つくばう」と読み分け、その意味の広がりも、若干異なることがお分かりいただけたと思います。
それぞれを使いこなして、表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。