「裏打ち(うらうち)」という言葉は、ご存知でしょうか。
これはよく使われる表現ですし、使われている漢字も難しくないし、普通に使っている、という人が多いのではないでしょうか。
でも、そもそも、「裏打ち」って、なんのことなのでしょう。正確な意味は? と聞かれると「うっ」と詰まってしまうという人もいるのでは?
そこで、以下では「裏打ち」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「裏打ち」の意味
「裏打ち」は「うらうち」と読みます。
使われている漢字は「裏(うら)」と「打(うつ)」なので、問題ないでしょう。
次に意味ですが、まず、本来の意味は、
・「衣服に裏をつけたもの」
・「紙や薄い布の裏に、他の薄いものを糊で貼り付けて厚く丈夫にすること」
です。そして、これが転じて、
・「あることが確かであることを、他の面から保証し、更に確実にすること」
という意味を持ちます。
「裏付け」という言葉も同じ意味ですね。
8ビートの曲だと一小節に8個の八分音符があります。そのうちの「2」「4」「6」「8」を強調するのが「裏打ち」です。ポピュラー音楽、特にダンスミュージックは基本「裏打ち」です。
8個の八分音符のうち「1」「3」「5」「7」を表拍(おもてはく)、「2」「4」「6」「8」を裏拍(うらはく)と言います。4ビートであれば四分音符の「2」「4」が裏拍です。
「裏打ち」の使い方
では「裏打ち(うらうち)」はどのように使うのでしょうか。
よく警察モノのドラマや、警察小説などで、
「裏は取ったのか?」
というセリフが出てきます。
この「裏」は、「裏打ち」「裏付け」が省略されたものです。
一つの証拠や証言から、犯人を断定したりせず、別の証拠、証言を集めて、複数の面から確実にする訳ですね。
職人の手作りを謳い文句にする製品などでは、「長年の経験に裏打ちされた確かな品質」などと言ったりします。いい素材」「いいデザイン」に加えて「長年の経験」が品質を保証する訳ですね。
「裏打ち」の類義語・同義語
「裏打ち(うらうち)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
実際の衣服などに裏打ちすることの同義語としては、
- 裏貼り
- 裏張り
- 内貼り
比喩的な「別の側面から補強すること」の類似した表現としては、
- 裏を取る
- 裏付ける
- 証拠を積み重ねる
他に、法律用語として、主な証拠を補強する証拠として「補強証拠」「状況証拠」などがあります。これらは主な証拠を「裏打ち」するものと言えます。
「裏打ち」の対義語・反対語
「裏打ち(うらうち)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
衣服の布の上に別の布を重ねることを、
- 上張り
- ライイング
複数の方向から補強することの反対表現としては、
- 一点張り
- 一本槍
- 一筋
さらに、補強するどころか根拠がない状態の表現としては、
- 根拠薄弱
- 無根拠
- 臆断
- 決めつけ
「裏打ち」を使った例文
「裏打ち(うらうち)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
「裏打ち」を使った例文
- 政治家との面談のあとで、文書の書き換えが始まっているという事実は、政治家側から何らかの指示や依頼があったことを裏打ちする。
- 長年の研究に裏打ちされた、豊富な知識と鋭い洞察。
- この服はさすがに擦り切れて、生地自体がちぎれそうなので、さすがに裏打ちするのも難しいですね。
- 胸に秘めていた疑いを裏打ちする事実が今になって出てきた。
まとめ
以上、「裏打ち」の意味や用法について深掘りしてみました。
音楽用語としての「裏打ち」も、ごく簡単にですが御説明しておきました。
「裏打ち」の他、さまざまな類語や、対義語など、うまく活用して、表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。