「憂う」の意味や正しい使い方を解説!「憂うべき」例文も紹介

憂う

「憂う」という言葉は、主に文章中で使われる、古風で雅(みやび)な印象の言葉ですね。

憂鬱の「憂」の字から、暗いニュアンス、イメージが浮かびますが、では、実際どのような使い方をすればよいのでしょうか。

そこで、以下では、「憂う」の意味や用法について、また「憂うべき」というよく使われる言い回しについても深掘りしていきましょう!

「憂う」の意味と読み方

「憂う」は「うれう」と読みます。

「憂う」の意味は、「悪い状態や結果になりはしないかと心配する」ことです。

「憂う」を名詞にした、「憂い」も「備えあれば憂いなし」といった言い回しで、よく使うと思います。

「憂うべき」の意味

「憂うべき」という表現もよく耳にします。「心配しなければならないような」という意味で、「憂うべき事態」とか「憂うべき状態」などという形でよく使われます。

単純に心配するというより、そのような状況であることを非難するような調子が含まれる場合があります。

「憂う」の正しい使い方

実は「憂う」は古語です。現代語としては「憂える」が正しい形となります。そして「憂える」には他に「愁える」「患える」などの漢字も用いられます。意味は同じです。

しかし、この現代語の「憂える」はあまり使われないのではないでしょうか。

「憂うべき」とは言っても、「憂えるべき」とは言いません。

使わないばかりか、間違っているのでは、とすら感じてしまいます。

理屈や文法と、実際の運用にズレがあることも、言葉が生モノである所以かもしれませんね。

「憂わしげ」という形容詞の形もよく使われます。

「憂う」を使った例文

「憂う」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。

  1. この国の行く末を大いに憂う。
  2. 遺伝子組換え作物が野生化して、在来種を駆逐しかねない憂うべき状況だ。
  3. 順風満帆だった彼の人生のうえに、何やら憂わしい暗雲が立ち込めはじめているようだ。
  4. 震災復興が遅々として進まない状況を憂う避難生活者の人々。
  5. かかりつけの医者が検査結果の紙を憂わし気な表情でみていた。もしや、癌?

「憂う」の類義語・同義語

「憂う」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。

以下に、いくつかあげてみます。

「憂慮する」 「慮」は「深く考える」意味ですので、「悪い結果にならないかと心配して深く考える」という意味になります。

「懸念する」 気がかりで不安に思うことです。ずっと心に引っかかっているということです。

「危惧する」 「危」は「あやぶむ」、「惧」はおそれるという意味で、類義語と言えます。

「不安に思う」

「心配する」

「心を痛める」

「案じる」

「おそれる」

「先が思いやられる」

「憂う」の対義語・反対語

「憂う」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。

以下に、いくつかあげてみます。

「安堵する」 安堵の「堵」は土でできた垣を表します。家の周りに堅固な垣を巡らして、その中で安心して暮らす、というのが原義です。

「愁眉を開く」 心配事や悲しみの原因が解消して、安心することです。

「安心する」

「頼もしい」「信頼感がある」

「大船に乗った気持ち」

「ほっとする」

「任せられる」

「意を強くする」

まとめ

以上、「憂う」の意味や用法について深掘りしてみました。いかがだったでしょうか。

世の中、心配なこと、憂うべきことが山積していますので、これらの言葉を使う機会も、頻繁にありそうです。類義語も含めて使いこなしましょう。

できることなら、反対語のほうをたくさん使えるようだといいんですが。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。