「安普請(やすぶしん)」という言葉は、ご存知でしょうか。
「安い」は別に問題ないと思うのですが、「普請」のほうは、いまどきあまり使わない表現という気もしますので、ここで「ウッ」となる人もいるのではないでしょうか。
でも、知ってしまえば何ということもない表現ですので、ここでチャチャっとマスターしてしまいましょう。
それでは、以下で「安普請」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「安普請」の意味・読み方
「安普請」は「やすぶしん」と読みます。
次に意味ですが、まずは「普請」から確認です。
字の意味でいうと「普」は「あまねく、ひろく」で「請」は「お願いする」です。
そもそも「普請」は寺社が、信者の大衆を集めて、寺の建築物の建築に従事してもらうこと(またはお金を寄進してもらうこと)を指しました。
そこから転じて、一般に、建築や土木の工事のことを「普請」と呼ぶようになりました。
なので、「安普請」の意味は、
「安い費用で家屋などを建てること」
「安い費用で建てた家屋」
ということになります。
「安普請」の使い方
では「安普請(やすぶしん)」はどのように使う言葉でしょうか。
建物を安く作ること、安い建物を言うわけですから、自分で立てる場合なら自嘲や卑下、謙遜、他人の建物に対してなら軽視、蔑視のニュアンスが含まれることになります。
「素敵なお宅ですね」「いやあ、安普請で」は謙遜です。
「貧乏でこんな安普請に住んでます」は卑下でしょう。
「こんな安普請、耐震とか大丈夫?」は、蔑視の表現と言えるでしょう。
いずれにせよ、褒め言葉ではありません。
「安普請」の類義語・同義語
「安普請(やすぶしん)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
「陋屋(ろうおく)」 むさくるしい家を指します。
「ボロ屋・ボロ家(ぼろや)」 古くて傷んだ家を言います。
「荒屋(あばらや)」 荒れ果てた家。
またよく似た表現として次のようなものがあります。
「にわかづくり」 急場の間に合わせに作ることです。
「手抜き工事」 いい加減な工事をすることで、安普請に起こりがちです。
「安普請」の対義語・反対語
「安普請(やすぶしん)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
まずは明確な対義語として、
「大名普請」
が挙げられます。費用を惜しまず豪華な建築をすることです。
また類似した表現として以下の表現などが挙げられます。
「豪邸」 豪華な邸宅です。
「屋敷」 大きな門構えの邸宅です。
「邸宅」 大きな家のことです。
「高級住宅」 高級な家です。
「億ション」 価格が一億円以上するマンション。
「安普請」を使った例文
「安普請(やすぶしん)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- こんな安普請じゃあ、地震が来たらひとたまりもない。
- 予算が足りなくて泣く泣く安普請で辛抱した。
- 田舎の安普請でも、リタイヤ生活にはぴったりの物件。
- 安普請の長屋が立ち並ぶ下町。
- どこからどうみても安普請とはいえない立派な邸宅だよ。
- なにしろ壁の薄い安普請の部屋なので、隣の声が筒抜けだ。
まとめ
以上、「安普請」の意味や用法について深掘りしてみました。
「安普請」だけではなく、さまざまな類語や対義語などをうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。