「容喙(ようかい)」という言葉は、ご存知でしょうか。
「喙」の字は、使用頻度も低く、読み方も意味も分からないという方も多いのではないでしょうか。
「容喙」という熟語が日常会話で登場することもまずないですし、読書中に遭遇する頻度もさほど多くないと思いますが、教養として知っているといい言葉です。
それでは、以下で「容喙」の意味や用法について深掘りしていきましょう!
「容喙」の意味・読み方
「容喙」は「ようかい」と読みます。
次に意味ですが、まずは「容喙」の漢字をひとつずつ確認していきましょう。
「容」は「かたち」「ゆるす」など複数の意味がありますが、ここでは「いれる」という意味です。
「喙」は「とり」「くるしむ」などの意味もありますが、ここでの意味は「くちばし」です。
この二文字を組み合わせた熟語「容喙」の意味は、
「くちばしをいれる」
「横から口を挟む」
「横から余計な口出しをすること」
です。
「容喙」の使い方
では「容喙」はどのように使う言葉でしょうか。
「容喙(ようかい)」は、かなり固い語感の漢語なので、会話で使うことはまれで、学術的な文章や、高尚な文芸作品など、格調高い文章で使われる語彙です。
「他人の問題に容喙する」というような形で用います。
「他人の問題にくちばしをはさむ」「他人の問題に横から余計な口出しをする」と表現しても意味は変わりませんが、「容喙する」だと理解できる人数はぐっと減ります。
読者層の知的レベルをかなり高く設定している表現と言えるでしょう。
「容喙」の類義語・同義語
「容喙(ようかい)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「干渉(かんしょう)する」 当事者ではないものが、ああしろこうしろと意見したり指図したりすること
- 「口を挟む」 当事者でないものが、横から意見を言うこと。
- 「口出しする」 当事者でないものが、横から意見・指示すること。
- 「差出口(さしでぐち) でしゃばって他人の話に口出しすること。
- 「差し出がましい」 分をわきまえずにでしゃばったことを言ったりしたりすること。
- 「横槍を入れる」 他人の話や仕事に、横から口を出したり、文句をいうこと。
「容喙」の対義語・反対語
「容喙(ようかい)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 他人に対して本来は求められる助言や指導をしないことを対義語とすると、以下のような例があります。
「放任」
「ほったらかし」
「見殺し」
「見捨てる」 - 他人との関わりを避けることを対義語とすると、以下のような例があります。
「没交渉」
「世捨て人」
「ひきこもり」 - 自分の殻に閉じこもることを対義語とすると、以下のような例があります。
「自閉する」
「殻に閉じこもる」 - 自分の問題から目を背けることを対義語とすると、以下のような例があります。
「逃避」
「容喙」を使った例文
「容喙(ようかい)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 「校長の御考にある事だから、わたしの容喙する限ではないが」(夏目漱石『坊っちゃん』)
- 他人の個人的事情にまで一々容喙してくるお節介焼きの婆さん
- 人の仕事に容喙している暇に、まず自分のやるべきことを片付けるべきだ。
- アメリカはことあるごとに他国の内政に容喙することを、自国の崇高なる義務だと履き違えている。
- 彼は他人の容喙を許さずなんでも自分で決める。
まとめ
以上、「容喙(ようかい)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「容喙」だけではなく、「差出口」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。