「努々」という言葉は、ご存知でしょうか。
使われている漢字が「努力」の「努」なので、意味はなんとなく推測できますが、ではなんと読むのでしょうか? 「どど?」 ではありません。
読み方が分かれば、これは誰でも知っているような普通の言葉です。
それでは、以下で「努々」の読み方、意味や用法について深掘りしていきましょう!
「努々」の意味・読み方
「努々」は「ゆめゆめ」と読みます。「努努」と書いても同じです。
次に意味ですが、まずは「努(ゆめ)」から確認していきましょう。
「努」という漢字は、「つとめる」「力をつくす」「はげむ」という意味です。
これに「ゆめ」という和語の読みを当てはめるのは日本で生じた用法です。
「努(ゆめ)」という言葉は、
「ゆめゆめ」
「けっして」
「必ず」
「少しも」
などの意味で、
うしろに禁止の語や否定の語を伴って使われます。
「努々(ゆめゆめ)」は「努(ゆめ)」を二度重ねることでより強調した言い方です。
「努々」の使い方
では「努々」はどのように使う言葉でしょうか。
「努々(ゆめゆめ)」は、禁止の語をともなって、万が一にもそうなってはならないと強くいましめる表現です。
「努々怠るなかれ」は「決してさぼってはいけない」ということです。
「努々考えもしなかった」は「少しも、まったく考えもしなかった」ということです。
「努々忘るべからず」は「決して忘れてはいけない」です。
「努々疑うことなかれ」は「決して疑ってはいけない」です。
いずれにしても、少々古めかしい言い回しです。
「努々」の類義語・同義語
「努々(ゆめゆめ)」の類義語・同義語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
- 「決して」 つよく否定する言い方です。
- 「きっと」 「多分」のように曖昧ではなく、強い期待を持っている表現です。
- 「少しも」 肯定できる要素がまったくない様子です。
- 「夢にも」 こちらの字を使う「ゆめにも」も、「少しも」「決して」と「努(ゆめ)」と同じ意味で使われます。
- 「断じて」 確信を持って否定する言い方です。「断じて許さない」「断じてそんなはずはない」など。
「努々」の対義語・反対語
「努々(ゆめゆめ)」の対義語・反対語にはどのようなものがあるでしょうか。
以下に、例をあげてみましょう。
語の性質上、対義語というものはありません。
なので、対照的な意味合いの表現の例を挙げます。
- 努々(ゆめゆめ)」は強く禁止する表現ですので、逆に強く命じる表現として以下のような例があります。☆「確と(しかと)、しっかと」
=「しかと心得よ」は「しっかり、確実に心得ておけ」という命令です。
☆「万障繰り合わせて」
=どれほど支障があってもそれを克服して、ということ。「万障繰り合わせてご出席ください」などと用います。 - もっと弱い禁止を表す表現の例として以下などがあります。
☆「できれば」
☆「なるべく」
「努々」を使った例文
「努々(ゆめゆめ)」はどのように使うのでしょうか。以下に例文を挙げてみました。
- 米国の核の傘あっての日本の平和と繁栄だということを努々(ゆめゆめ)忘れてはなりません。
- 「あなたのことは努々疑ってはいませんわ。」「僕のことを探偵に素行調査依頼したのに?」
- 上達したいのなら、一日も欠かさず基礎練習することを、努々怠ってはいけない。
- そのような危険分子と、努々通じることがないよう、ますます監視を強めねばなるまい。
まとめ
以上、「努々(ゆめゆめ)」の意味や用法について深掘りしてみました。
「努々」だけではなく、「決して」や「断じて」など、さまざまな類語や対義語をうまく活用して、ぜひ表現の幅を広げていただければと思います。
この記事が少しでもあなたのお役に立てば嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。